
ここ最近、弊社はエンドユーザーのお客様との取引が減少しています。言葉を選ばずに言えば、意図的に避けています。
理由は新築、中古問わず価格が上がり過ぎて成約率が落ちたからです。不動産業界で仕事をしてきた肌感として、「この物件は決まるだろう」とか、「何組来場があれば成約になるだろう」などの読みが通用しなくなりました。もしくは、時代を読む能力が低下したのか、とにかく注いだ労力に見合う成果が得られなくなりました。
では、なぜエンドユーザーのお客様の成約率が低いのでしょうか。
弊社が取り扱う物件のクオリティーが特別悪い訳ではありません。むしろマンションデベロッパー勤務の経験から、自信を持っています。
成約しない理由、それは単純に価格が高いからです。エンドユーザーが一歩踏み込める販売価格ではなくなったのです。お客様の収入レベルにも差がありますが、富裕層から見ても「バカバカしい価格」になっているのです。富裕層ほど、物の見る目は養われているのかもしれません。
お気に召さない物件は論外として、エンドユーザーのお客様が購入を断念する理由は
- 「買えたとしてもその支払いは無理、物件に見合わない」
- 「この物件にここまでお金は出せる価値は無い」
と物理的な壁ができており、期待値からズレている価格になっています。
関東の郊外ではすでに大外れ物件、すなわち売れ残り、在庫物件が多数出ています。所得層の高い関東とはいえ、庶民が購入可能な価格から乖離し過ぎているのが現実です。関西も同じくです。
しかしながら、土地の価格や工事費はまだ下がっていません。そして、マンションデベロッパーなどは仕入れの歩みを止められません。
ですが、景気回復には程遠く、お客様の購入力は上がっていません。この業界はもうすぐ「パンッ!」と弾けてしまうかもしれません。
このような事柄から弊社はひとまず、法人の方々と現実的な取引に目を向けています。