不動産仲介業の査定額は誤解が色々

お買得物件.com 不動産仲介業の査定額は誤解が色々

不動産の査定は「売れる価格」ではない〜売主の誤解は色々!

前回のコラム「少しでも高く売りたい売り主の心理や如何に」でお伝えしたように、弊社は最近、売主様から物件をお預かりする「物上げ」をメインに行っています。

ポスティングや、査定一括サイトから、不動産の売却を検討している売主様を探しています。

今回は、実際に起こった「『査定』に関する誤解」を2エピソードご紹介します。

【エピソード1】ポスティングチラシの大きな誤解

現在、とある地域に集中してポスティングチラシを配布しています。
ありきたりなチラシでは見てもらえないので、弊社では「限定チラシ」と呼んでいる「◯◯町で家をお探しの30代ご夫婦がいらっしゃいます。予算は7000万円までです」といった、具合なニーズを掲載したチラシを配布しています。
すると、すぐにお客様より反響があり、ご来店いただきました。

最初にお伺いした住所から物件を査定し、「お客様の不動産はいくらで売れそうですよ」というラインは持ってお話しするのですが、とにかくこのお客様は鼻息が荒く、前のめりでお話しを聞いてくださいましたが、ある誤解をされていました。

「自分の家が7000万円で売れる!」と誤解なさっているのですね。

特定のエリアでチラシを配布しましたが、「その方限定のチラシ」と受け取られてしまいました。

しっかりとご説明をし、最終的には納得いただき、お帰りになりましたが、「限定チラシ」の作成には注意が必要だと感じさせられました。

【エピソード2」査定額イコール売買価格ではない〜宝石の査定との違い〜

「査定」と聞いて多くの方が思い浮かぶのは、「自動車」や「宝石など貴金属」ブックオフなど「古本」などの買い取りだと思います。これらの査定は、不動産の査定と大きな違いがあります。それは「実際に買い取る価格」を提示することです。

一方、不動産の査定は買取などの例外を除き、「この販売価格であれば売れると思います」という目安の価格であり、責任の無い査定額なのです。もちろんその数字を出した根拠はあり、不真面目な数字ではないのですが、「その価格なら間違いなく売れる」という保証は無いのです。

先日、査定をさせていただいたお客様から「この間のお話しで進めたいのですが、契約はいつになるのでしょうか?」とご連絡いただきました。

こちらはあくまで、ご売却のお手伝いをする「媒介契約」を想定していましたが、お客様は「売買契約」だと認識してお話しされていたのです。

一見、なんとなくよく似たニュアンスですが、文字に直すと大きな違いがあります。この件もしっかりとご説明をし、理解してくださることができました。
現在、販売活動を進めているところです。

不動産は、大きな金額が動くだけに、小さな食い違いや誤解が思わぬトラブルに繋がることもあります。
「気を引き締めて業務に取り組まなくては」と痛感するエピソードでした。