マンション購入の流れ:はじめに

マンション購入は人生でも大きな買い物のひとつであり、資金計画や契約手続き、住宅ローンの申請、引渡しまで多くのステップがあります。
「どこから手を付ければよいかわからない」「契約やローンで失敗したくない」と感じる方も少なくありません。
そこで本記事では、マンション購入を検討する段階から入居後までの流れを、ステップごとに詳しく解説します。
まず、購入を考える際は「資金計画」と「物件条件の整理」が基本です。購入可能な価格やローン返済能力、自己資金を確認し、家族構成や通勤・通学環境、生活利便性など、自分や家族にとって重要な条件を整理することが、効率的な物件探しにつながります。
物件選びでは、新築・中古の選択、駅からの距離、間取りや広さ、管理体制など複数のポイントを比較する必要があります。
また、将来的な資産価値や修繕計画も確認することで、長期的に安心して住めるマンションを選ぶことができます。購入までの流れを把握しておくことで、契約やローン申込、引渡しなどの各ステップをスムーズに進められ、後悔のない選択につながります。
ステップ1:希望条件と資金計画を立てる

1.1 希望条件の整理(エリア・間取り・利便性・管理など)
マンション探しは「何を妥協できて何を妥協できないか」を最初に明確にすることが成功の鍵です。
まずはエリア(駅からの距離・沿線)、間取り(部屋数・リビングの広さ)、階数や向き(日当たり・眺望)、築年数、管理形態(管理会社・管理組合の状況)、駐車場の有無、周辺の生活利便性(スーパー・病院・学校)などを箇条書きにして優先順位をつけましょう。
現地を歩いてみて「通勤にかかる時間」「近隣の雰囲気」「騒音・日照」など実際の暮らしをイメージすることも重要です。
内見時に見るべきチェックポイント(共用部の清掃状況・廊下やゴミ置場の状態・外壁の劣化等)は、管理状態を示す良い手がかりになります。
1.2 資金計画を明確にする(自己資金・頭金・諸費用)
物件価格だけでなく「諸費用」を含めた総額で準備する必要があります。中古マンションの場合、諸費用は一般に物件価格の約6〜9%が目安とされており(新築はやや低めで3〜6%程度が目安)、印紙税・登録免許税・司法書士報酬・仲介手数料・ローン関係の手数料や火災保険料などが含まれます。
引越し費用やリフォーム費、家具・家電の買い替え費用も見込んでおくと安心です。諸費用は多くが現金一括で必要になるケースがあるため、手元資金の確保方法(預金からの充当、親からの援助、諸費用ローンの利用可否)を検討してください。
1.3 住宅ローン・借入可能額の目安(年収倍率)
住宅ローンで借りられる金額や無理のない返済額を把握するには「年収倍率」や返済負担率(年収に対する年間返済割合)を参考にします。一般的な目安としては年収の5〜7倍程度がよく使われますが、物件種別や利用するローン商品によって差があります(例:中古マンションは年収の5〜6倍が目安とされることが多い)。
また、金融機関は返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)や雇用形態、既存の借入状況、団信や各種控除の有無等を総合的に判断します。まずは複数の金融機関で「仮審査(事前審査)」を受け、借入可能額や金利条件、月々の返済額シミュレーションを出してもらいましょう。
1.4 優先順位付けと現実的な絞り込み方法
希望条件と資金面が明確になったら、一覧表(例:エリア/交通/間取り/価格帯/築年数/管理状況/優先度)を作り、優先度の高い条件を満たす物件だけに絞ると効率的です。
優先度は「絶対譲れない(A)」「できればほしい(B)」「妥協できる(C)」といった具合に分類すると判断が早くなります。
さらに、「最悪ここは妥協できる」という項目を2〜3つ決めておくと物件選びで迷ったときにブレにくくなります。
1.5 このステップでやることチェックリスト
- 希望エリアと沿線、通勤時間の上限を決める。
- 間取り・広さ・必要な設備(バリアフリー・ペット可など)をリスト化する。
- 自己資金(頭金)と諸費用の概算を出す(諸費用は物件価格の6〜9%を目安)。
- 年収から現実的な借入目安(年収の5〜7倍)を算出しておく。
- 複数の金融機関でローンの仮審査を受け、金利や借入可能額を把握する。
- 優先順位表を作り、A/B/Cで条件を整理する。
この段階で「探すための地図」と「支払える予算の範囲」が固まれば、次の物件情報収集・内見フェーズにスムーズに移行できます。疑問点や具体的な条件があれば、このセクションで一緒に試算・リスト化して進めましょう。
ステップ2:物件情報収集・内見(物件探し)

2.1 物件情報の集め方(インターネット・不動産会社・現地)
希望条件と資金計画がまとまったら、いよいよ物件探しの段階に入ります。現在のマンション探しでは、まず不動産ポータルサイト(SUUMO、LIFULL HOME’S、アットホームなど)で候補をリストアップするのが一般的です。
検索条件に「エリア・最寄り駅・価格帯・専有面積・築年数・階数・管理費・修繕積立金」などを設定し、複数サイトを比較することで市場相場を把握できます。オンライン上で情報収集を進めつつ、気になる物件が出た時点で不動産会社へ問い合わせてみましょう。物件によっては広告掲載前や公開直後の「未公開情報」や「価格交渉が可能な案件」も存在します。
2.2 不動産会社の選び方と付き合い方
仲介会社や販売会社の担当者は、マンション購入のパートナーとなる存在です。まずは複数の会社に問い合わせ、対応の早さ・説明の丁寧さ・提案内容の客観性などを比較しましょう。特定の物件を紹介してくれた担当者が自社利益を優先していないか、こちらの条件をきちんと理解してくれるかも重要な判断軸です。
また、担当者との信頼関係を築くと「価格改定情報」「新着未公開物件」「ローン相談」など、早期に有益な情報を得やすくなります。特に中古マンションの場合は、売主・管理会社・周辺住民など複数の関係者が関わるため、担当者の調整力が購入後の満足度に直結します。
2.3 内見の準備とチェックポイント
候補物件が決まったら、必ず現地で内見を行いましょう。中古マンションなら1件につき15〜30分程度を目安に、できれば週末など時間をかけて比較します。
内見時は、室内の設備・収納・動線・日当たり・風通しなどを確認するほか、共用部(エントランス・廊下・ゴミ置場)の清掃状況や掲示板の内容(管理状況や住民のマナー)にも注目してください。
また、平日と休日、昼と夜の雰囲気が異なることもあるため、時間帯を変えて複数回訪問するのがおすすめです。騒音・周囲の建物の高さ・ベランダからの眺望・近隣施設(スーパー・保育園・病院)など、暮らしを具体的に想像しながらチェックします。
2.4 内見時の質問リストと比較のコツ
効率的な比較のために、あらかじめ質問リストを作成しておくと便利です。たとえば「修繕履歴や今後の修繕計画」「管理組合の活動状況」「ペット飼育やリフォーム制限」「駐車場・駐輪場の空き状況」「周辺の再開発予定」など、購入後の生活に関わる質問を整理しておきましょう。
特に中古マンションでは、築年数だけでなく「修繕積立金の残高」「過去の大規模修繕履歴」なども確認すべき重要項目です。また、見学した物件を比較する際には、スマートフォンで室内・外観写真を撮影し、条件・印象・価格などをスプレッドシートにまとめておくと後で客観的に判断しやすくなります。
2.5 新築・中古それぞれの探し方の違い
新築マンションの場合はモデルルーム見学が中心で、実際の完成物件を確認できないケースも多いです。そのため「建設予定地の周辺環境」「間取り・設備仕様」「管理会社の信頼性」を重点的に確認しましょう。
一方、中古マンションは実物を見て判断できるというメリットがあり、リフォームやリノベーションによる自由度の高さが魅力です。ただし、耐震性・管理状態・将来の修繕計画など、物件ごとの差が大きいため慎重なチェックが必要です。どちらの場合も「価格だけで判断せず、資産価値(立地・管理・交通利便性)を重視する」ことが長期的に見て損をしないポイントです。
2.6 このステップでやることチェックリスト
- 不動産ポータルサイトで条件検索し、市場相場を把握する。
- 複数の不動産会社に問い合わせ、対応・情報量を比較する。
- 内見はできるだけ多くの物件を訪問(目安:5〜10件以上)。
- 内見チェックリストを用意し、室内・共用部・周辺環境を確認。
- 修繕履歴・管理状況・将来計画を必ず確認する。
- 新築はモデルルーム、中古は現地確認でそれぞれ強みを活かす。
この段階を丁寧に行うことで、購入後の満足度は格段に高まります。「気になるから見に行く」の積み重ねが、自分に合う理想のマンションとの出会いにつながります。
ステップ3:購入申し込み・住宅ローン事前審査

3.1 購入申し込み・申込証拠金の準備
希望物件が見つかり、「ここなら」という手応えを感じたら、次のステップは購入申し込み(あるいは購入予約)の提出です。特に新築分譲マンションなどでは、申し込みの段階で「申込証拠金」を支払うケースがあります。申し込みから1週間~10日程度で正式に契約に進む物件も少なくありません。
申込証拠金は物件価格の数%ではなく、物件によって1万円〜10万円程度ということもあります。 この申し込みを出した段階で、他の検討者に比べ優先的な扱いになることも多いため、「申し込んだから安心」という気持ちになりがちですが、あくまで契約成立の前段階であることを忘れないようにしましょう。
3.2 住宅ローンの仮審査(事前審査)を受ける
申し込み前後並行して進めておきたいのが、住宅ローンの「仮審査(事前審査)」です。金融機関に対して年収、勤務先、既存の借入れ状況、物件概要などをもとに「どのくらい借りられそうか」「返済負担はどの程度か」の目安を出してもらいます。
仮審査を通しておくことで、契約後に「ローンが通らなかった」という事態を未然に防ぎ、安心して買付け・契約へ進める体制を整えることができます。また、金利や返済期間のシミュレーションもこの段階で確認しておきましょう。
3.3 申し込み〜仮審査時のポイントと注意点
この段階では以下のポイントに注意してください:
- 申込証拠金は返還条件・キャンセル条件を事前に確認しておきましょう。申し込み後でも契約に至らなければ返される物件もありますが、条件によっては手数料的な差引きがあるケースもあります。
- 仮審査を複数の金融機関に申し込み、複数の選択肢をもつことで、条件(借入可能額・金利)の比較が可能です。
- 仮審査通過=本審査通過ではありません。契約後に本審査で落ちてしまうリスクを念頭において、余裕をもった資金計画を立てましょう。
- 契約前までに「もし仮審査が通らなかったらどうするか」「自己資金を増やす/借入額を抑える」という代替策も検討しておくと安心です。
3.4 このステップでやることチェックリスト
- 候補物件が決まったら、申込書を作成し必要な証拠金を準備する。
- 物件価格や支払スケジュール(頭金・諸費用・残金)を確認する。
- 金融機関へ仮審査を申し込み、借入可能額・金利・返済期間の目安を把握する。
- 複数機関で仮審査を受け、比較できるようにする。
- 仮審査通過後でも本審査落ちのリスクを考え、返済負担率や将来の収入変動も想定しておく。
- 万一仮審査で借入額が想定より低かった場合の代替策(頭金を増やす/物件価格を下げる)を検討しておく。
このステップを着実に踏んでおくことで、次の「契約・融資本審査・決済・引渡し」へスムーズに移行できます。焦らず、しっかり準備をして進めていきましょう。
:ステップ4:重要事項説明・売買契約

4.1 重要事項説明とは何か/誰が行うか
マンションの売買において、契約を結ぶ前に欠かせないのが「重要事項説明書(重説)」です。
これは、売買対象となる物件の権利関係・法令上の制限・設備状況・管理規約・管理費や修繕積立金の状況など、買主にとって重要な情報を、国家資格である 宅地建物取引士 が書面を用いて説明する法律に定められた手続きです。
説明の際には、宅建士証の提示義務もあり、説明の場で「この人が宅建士である」という確認ができない場合は、手続きを進める上で慎重になる必要があります。
この説明が適切にされていないと、買主側が十分な情報を持たず契約を結んでしまい、後にトラブルとなるリスクがあるため、法律上義務付けられているのです。
4.2 売買契約の締結(手付金・契約書)
重要事項説明を受けた後、いよいよ契約手続きへ進みます。通常、以下の流れとなります。
まず、売主・買主・仲介業者(あれば)で契約日時を決め、契約場所(不動産会社の事務所など)で打ち合わせが行われます。
次に契約書の内容(物件の所在地・売買価格・支払スケジュール・引渡時期・所有権移転・抵当権の扱いなど)を確認し、双方が納得すれば署名・捺印して契約成立となります。 買主側はこの時点で「手付金」を支払うことが一般的です。
手付金の相場は物件価格の5〜10%程度と見られる場合が多いです(例えば3000万円物件なら150万円〜300万円)。 手付金には「契約の証拠」と「買主が契約を解除する場合の違約金性」という性格があります。
したがって、支払う前に「手付金を放棄して解約できるか」「契約解除時のペナルティはどうか」という点を確認することが重要です。
4.3 契約時の注意点(契約書・重説書の確認)
契約時に特に注意すべきポイントを整理します。
- 「売買契約書」と「重要事項説明書」が内容的に矛盾していないか確認する。契約書に記載された物件の表示・価格・支払い方法・登記にかかる事項などが、重説書の記載と合致していなければなりません。
- 手付金の額・支払い方法・保全措置(売主が自社所有の場合など)・契約解除条件・違約金条項などが明記されているかを確認。
- 登記関連や引渡し時期・抵当権抹消・所有権移転登記の時期・固定資産税等の分担など、買主にとって重大な義務・時期・負担が明確になっているか。
- 中古マンションの場合は、管理費・修繕積立金の額/滞納状況/過去の大規模修繕履歴/将来予定されている負担金の有無などを重説書・別途「重要事項調査報告書」等を通じて確認しておくと安心です。
- 契約後のキャンセル条件、手付金を放棄する条件、売主都合のキャンセルがあった場合の対処など、トラブル回避のために内容理解が重要です。
このように、契約という大きなステップだからこそ、慌てずに書類の内容・条件をひとつひとつ確認しましょう。疑問や不明点があれば、契約前に担当の不動産会社・仲介者に質問して解決することをおすすめします。
4.4 このステップでやることチェックリスト
- 宅建士による重要事項説明を受け、説明書をきちんと受領・保存する。
- 売買契約書のドラフトを事前に確認し、支払スケジュール・手付金・解除条件・引渡し時期を把握する。
- 手付金を支払う額・支払い方法・保全措置が妥当かを確認する。
- 契約書と重要事項説明書の内容にズレ・抜けがないか突き合わせて確認する。
- 管理費・修繕積立金・大規模修繕計画・管理組合状況など、物件長期維持に関わる情報を改めてチェックする(特に中古マンション)。
- もし契約後にローン本審査が通らなかったり、資金計画が崩れた場合の代替策を担当者と確認しておく。
この「重要事項説明&売買契約」のステップをしっかり踏むことで、安心してその後の「住宅ローン本審査・融資実行・引渡し」へと移行できます。
ここで手続きを飛ばしたり、いい加減に済ませると、後々「聞いていなかった」「契約書にないと思っていた」といったトラブルに直面する可能性があります。購入が終わるまでは「ここをクリアしなければ」というポイントをひとつずつ確認しながら進めましょう。
ステップ5:住宅ローン本審査・融資実行

5.1 本審査とは何か/事前審査との違い
これまで進めてきた「購入申し込み」「契約」と並行して、最も重要とも言えるのが、住宅ローンの「本審査」です。住宅ローンは一般に「仮審査(事前審査)」→「本審査」という2段階の流れを取ることが多く、事前審査に通っても必ずしも本審査が通るわけではありません。
まず、事前審査では申込人の年収・勤続年数・既往借入状況など「返済能力の大まかなチェック」が行われ、短期間(数日〜1週間程度)で結果が出るケースが一般的です。
一方で本審査では、申込人の属性に加えて「物件そのものの担保価値」「団体信用生命保険加入の可否」「細かな書類精査」などが行われるため、時間もかかり、審査基準も厳しくなります。
5.2 本審査の流れ・必要書類・期間の目安
まず、本審査申し込みは事前審査通過後、通常は売買契約を締結した段階で金融機関へ正式に申し込みを出します。
必要書類としては、申込書・本人確認書類(運転免許証・健康保険証・住民票等)・収入証明書(源泉徴収票・確定申告書等)・購入物件の売買契約書・重要事項説明書の写し・預金通帳等の自己資金を証明する書類などがあります。
審査期間の目安としては、一般に1〜2週間程度とされることが多く、金融機関や書類の状況によっては3〜4週間かかる場合もあります。
5.3 融資実行までの手続きと注意点
本審査が承認されたら、次は金融機関との「金銭消費貸借契約(通称:金消契約)」を締結します。これは借入金額・返済期間・金利タイプ・返済日・担保設定などを最終定める契約です。
契約締結後、融資実行(お金が金融機関から支払われる)に至ります。多くの場合、決済日・引渡し日と融資実行日を同日にスケジュールして、残金支払い・所有権移転登記・抵当権設定を一括して行うことが一般的です。 ここでの注意点としては:
- 仮審査時の条件(収入・借入状況・自己資金等)から大きく条件が変わっていないか確認すること—変更があると本審査に影響します。
- 融資実行のタイミングと物件引渡し・登記のタイミングをしっかり調整しておくこと。遅延があると別途費用が発生することも。
- 金利タイプ(固定・変動・固定期間選択型)や返済方法、繰上返済の条件などを契約前にしっかり確認しておくこと。契約後の変更は制約があるためです。
5.4 このステップでやることチェックリスト
- 本審査申込のために書類一式を準備(本人確認・収入証明・物件契約書・自己資金証明など)
- 仮審査の条件が変わっていないか(勤務先変更・借入追加・頭金減少など)確認する
- 金融機関からの承認通知を受け取り、承認有効期限を確認する
- 金銭消費貸借契約(ローン契約)の内容(金利・返済期間・返済開始時期・担保・保証)を細かくチェックする
- 決済日・引渡し日・融資実行日の一連スケジュールを確定し、関係者(売主・不動産会社・司法書士・金融機関)に共有する
- 融資実行後も、返済計画・維持管理費・将来の修繕費用などローン以外の支出を見据えて家計をシミュレーションしておく
マンション購入の大きな山場である「ローン本審査・契約・融資実行」がここで完了すると、残るは「引渡し・入居」となります。
ここまで来ると“安心”しがちですが、最後まで気を抜かず、手続きに必要な書類・スケジュール・支払のタイミングをしっかり確認しておきましょう。
ステップ6:決済・引渡し・入居

6.1 決済・残代金の支払い
住宅ローンの融資実行日を迎えると、売買契約で定めた残代金の支払いが行われます。金融機関から融資金が売主または売主の指定口座に振り込まれることで、物件購入代金の全額支払いが完了します。
新築・中古ともに、残代金には物件価格から手付金や頭金を差し引いた金額が含まれます。また、この決済時に仲介手数料や登記費用、各種税金(不動産取得税、固定資産税の清算金など)も一括で精算されるケースが多いです。
6.2 所有権移転登記と抵当権設定
決済と同時に司法書士による登記手続きが行われ、物件の所有権が正式に買主へ移転します。これにより法律上の所有者となり、購入したマンションを自由に使用できる権利が確定します。
また、住宅ローンを利用している場合は、金融機関の融資を担保とする抵当権が設定されます。抵当権設定登記は、万が一ローン返済が滞った場合に金融機関が物件を売却して債権を回収できる法的手段です。
6.3 鍵の引渡しと入居準備
登記完了後、売主や管理会社から鍵の引渡しが行われます。この時点で正式に入居が可能となります。入居前には、ガス・電気・水道・インターネット回線などの開通手続き、家具や家電の配置計画、引越し業者の手配など、生活を始める準備を整えておくことが重要です。
特に中古マンションでは、入居前にクリーニングや簡易リフォームを行うケースもあります。また、管理組合への入会手続きや、マンション内ルールの確認も忘れずに行いましょう。
6.4 引渡し後の注意点・手続き
入居後も、以下の点に注意が必要です。
- 水道光熱費・管理費・修繕積立金などの引き落とし手続きを確認する
- 登記簿謄本や権利証は安全な場所で保管する
- 住宅ローン返済開始日を確認し、返済計画に沿って支払いを行う
- 物件設備や不具合があれば、引渡し後一定期間内に売主へ修繕を依頼できるか確認する(特に新築の場合、瑕疵担保責任期間内の対応)
- マンション管理組合や自治会への登録・連絡を行い、地域ルールを把握する
6.5 このステップでやることチェックリスト
- 決済日を確認し、残代金や諸費用の振込準備を行う
- 司法書士との連携で所有権移転登記・抵当権設定登記を完了する
- 鍵の受け取りと入居日程の調整を行う
- ガス・水道・電気・インターネットなどのライフライン開通手続きを済ませる
- 入居前にクリーニングや必要なリフォームを行う(中古の場合)
- 管理組合や自治会への登録手続きを済ませる
- 住宅ローン返済スケジュールを確認し、必要に応じて口座引落し設定を行う
このステップを終えれば、ようやくマンション購入が完了し、新しい住まいでの生活がスタートします。手続きや支払いの漏れがないよう、チェックリストを活用して最後まで計画的に進めましょう。
ステップ7:購入後に押さえておきたいポイント・注意点

7.1 管理体制・修繕積立金・長期視点のチェック
マンションを購入した後も、満足度や資産価値を維持するためには「住んだ後の管理」が非常に重要です。
例えば、共用部の清掃が行き届いているか、外壁や設備の劣化が放置されていないかなど、物件の維持管理状況が将来的な売却価格や貸し出し収益に影響します。
中古マンション購入時には、管理費・修繕積立金の滞納率、修繕積立金の残高、また長期修繕計画がきちんと策定されているかを確認しておくことが推奨されています。
例えば「修繕積立金が少なすぎる」「長期修繕計画がない・古いまま使われている」などのケースだと、将来の大規模修繕で大きな追加負担が発生するリスクがあります。
管理組合の運営状況も要チェックです。住民間のトラブルが多い・掲示板の内容が古い・管理人の巡回がない等の状況は、管理体制に問題がある可能性を示唆します。反対に、定例総会の開催が適切・議事録が公開されている・管理会社・管理組合が連携している物件は安心です。
7.2 災害リスク・立地・築年数など見落としがちな項目
物件を長く住む・所有する上で、立地条件や将来にわたる災害リスク・将来の街の変化も見ておくべきです。例えば、駅から遠い・将来再開発の見込みが低い・人口が減少傾向のエリアといった立地は、資産価値の低下につながる可能性があります。
築年数が古い物件でも優れた立地・管理であれば資産価値を維持することがありますが、逆に築浅・価格だけで選んでしまうと、管理体制や補修履歴が伴っておらず、将来の負担が増える恐れがあります。
資産価値を落とさないためには「立地・スペック・管理」の三大条件をしっかり押さえることが大切です。
7.3 ローン返済計画の見直し・ライフプランの変化への対応
マンション購入にあたってローンを組んだ後も、将来の収入変化・家族構成の変化・ライフイベント(子どもの教育・転職・介護など)を視野に入れ、返済計画を定期的に見直すことが安心につながります。ローンの金利変動型にしている場合は、金利上昇リスクも念頭に置いておきましょう。
また、管理費・修繕積立金・固定資産税など、購入後に毎年発生する維持コストも考慮して、予算に余裕を持たせておくことが重要です。
購入直後は生活が忙しく、これらのコストを軽視しがちですが、将来の赤字状態を防ぐためにも「ローン+維持費」でのシミュレーションをしておくと安心です。
7.4 このステップでやることチェックリスト
- 管理組合の総会議事録・管理規約を定期的に確認する。
- 修繕積立金・管理費の滞納状況をチェックし、将来の負担増を予測する。
- 地域の将来性(人口動態・再開発・交通アクセス)を把握する。
- ローン返済開始後も、収入変化・家族構成変化を想定して家計を見直す。
- 購入後の維持コスト(管理費・修繕積立金・税金)を毎年見直し、予備資金を確保しておく。
- 住み替え・売却を将来視野に入れて、資産価値の観点でも住まいを維持できる体制を整えておく。
以上が最後のステップです。物件探しから契約・融資・入居を経て、購入後も長く安心して住めるマンションにするためには、ここまでの流れを知っておくことがとても重要です。
この記事をご覧になって、「マンション購入 流れ」をしっかり理解し、準備・実行・維持の三段階で動くことで、理想の住まいを手に入れてください。



